シャンパンは、華やかな時に活躍するスパークリングワインの代名詞でもありますが、世界にはシャンパン以外のさまざまなスパークリングワインが存在します。
ここでは、シャンパン以外のスパークリングワインについて学んでいきましょう。
シャンパン以外のスパークリングワインの種類
確かに、シャンパンは最高峰の技術とブドウで作られる逸品であるため、美味しいのは当然です。
しかし、それ以外のスパークリングワインも負けず劣らず、素晴らしいものが数多くあります。
では、紹介していきましょう。
クレマン
シャンパーニュ地方にて、ワイン法に則って作られているスパークリングワインはシャンパンと呼ばれています。しかし、フランスではシャンパーニュ地方以外にスパークリングワインが作られており、それをクレマンとかヴァン・ムスーと呼んでいます。
ヴァンムスーというのは、フランス語で泡のワインという意味ですので、フランス全土で作られているスパークリングワインのことを包括している言葉となります。一方で、クレマンはもう少し定義が狭いスパークリングワインです。
クレマンは、シャンパーニュ地方以外の特定の地域で、瓶内二次発酵といったシャンパーニュと同じ作られ方をしているワインにつけられている名称です。
クレマン・ド・ブルゴーニュとつけられていたら、それはフランスのブルゴーニュ地方で瓶内二次発酵で作られているスパークリグワイン、と考えて良いでしょう。ほかにも、アルザスやロワールなど、さまざまなクレマンがあります。
クレマンは、シャンパーニュに比べると手頃な価格ですし、その品質も非常に高いことで知られています。近年、それぞれの地域が格付けや品質向上などを目指し努力しているので、ぜひチェックしてほしいスパークリグワインです。
ヴァン ムスー
前述しましたが、ヴァン・ムスーはフランスでいうスパークリングワインのことを指しています。”Vin Mousseux”という文字がエチケットに入っていれば、それはフランスで作られたスパークリングワインだということがわかるので、それを目安に購入すると良いでしょう。
しかし、ここで少し疑問も出てくる方がいるでしょう。
クレマンと何が違うのか、というこです。クレマンもシャンパンも、広い意味ではヴァン・ムスーなのですが、名乗るための法律が違っている、と解釈してください。
クレマンの場合、生産地の名前が刻まれるため、購入する方も売る方も出自がよりハッキリとしており、品質が守られていると分かります。
ただ、ヴァン・ムスーはざっくりとした広域の名称ですので、品質についてはより深く知らないとわかりません。ヴァン・ムスーは、カジュアルなスパークリングワインと理解しておくと良いでしょう。
カバ
カバは、ペネデスなどを中心とした産地で、スペインの瓶内二次発酵で造られているスパークリングワインです。
日本でも多く飲まれているカテゴリのスパークリングワインなのですが、シャンパンと同様の製法でありながら、価格は非常にカジュアルなことで知られています。最低熟成期間がシャンパンより少し短く、比較的フレッシュで飲み心地の良い味わいです。
パレーリャ、チャレッロなど、土着品種をブレンドするものが多く、バランスが良い飲み心地の良い味わいに仕上げられることが多いようです。
近年では、高品質なスパークリングワインを作りたいと、カバという名称でワインを作らない、独立した生産者団体もあらわれ、スペインのスパークリングワインの品質向上が注目されています。
スプマンテ
イタリアも、スパークリングワインの生産が盛んな国として知られています。イタリアで作られているスパークリングワインは、スプマンテと呼ばれており、瓶内ガス圧が3気圧以上のものがそう定義されています。
このスプマンテなのですが、プロセッコというタンク内二次発酵(シャルマ方式)で作られるもの、シャンパン同様に瓶内二次発酵で作られるものなど、さまざまなものがあります。
特に、プロセッコや軽い飲み口に爽やかな発泡、そして仄かな甘みも感じるということで大人気。世界中で流行っているスパークリングワインと言えるでしょう。
ゼクト
ドイツで作られているスパークリングワインをシャウムヴァインと呼びますが、その中でもドイツ国内で瓶内二次発酵で作られているものをゼクトと呼んでいます。
ゼクトも、カバなどと同様にシャンパン方式で作られているため、泡は非常に繊細で長く、香りや余韻もエレガントです。
ドイチャーゼクトと記載されていることもありますが、EU地域内ではなく、ドイツで栽培・収穫されたブドウで作られている場合は、こう呼ばれています。